得意淡然 失意泰然

生きて生きて生きて生きて生きる

人づきあい

文豪ゲーテは弟子のエッカーマンに「自分の性の合わない人とつき合って、うまくやっていけないのなら、教養というものは何のためにあるのかね」と諭している。 他人の内奥は実に測りにくく、うかがいしれない。だからといって人との交わりにあまりに及び腰になっていては仕事などひとつも前に進んでゆかない。幸運も不幸も「人を介してやってくる」のである。人を用心し、警戒し、不信の念で見るだけでは自分の世界は広がらず、まして仕事を発展させることはできない。性格的にも自分と合わなくても、よい仕事をする人々とはつきあうことが大切である。そうすればタイプの違う人とも、やがて自在につき合えるようになる。 最後に長文となるが前述のエッカーマンの言葉を紹介する。

「他人を自分に同調させようなどと望むのは、そもそも馬鹿げた話だよ。私はそんなことをした覚えはない。私は人間というものを、自立した個人としてのみいつも見てきた。そういう個人を探求し、その独自性を知ろうと努力してきたが、それ以外の同情を彼から得ようなどとは、まるっきり望んでもみなかった。だから現在ではどんな人間ともつき合うことができるようになったわけだが、またそれによってのみ、はじめて多種多様な性格を知ることもできたし、人生に必要な能力を身につけることもできたのだ。性に合わない人たちとつき合ってこそ、うまくやっていくために自制しなければならないし、それを通して、私たちの心の中にあるいろいろ違った側面が刺激されて、発展し、完成するのであって、やがて、 誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。」

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